「Set up SQL Maintenance Plan」サービスを効果的にリクエスト・使用する方法


概要

この記事では、Sitecore Managed Cloudを使用するお客様に対し、「Set up SQL Maintenance Plan」サービスを効果的にリクエスト・利用するための包括的なガイドをご提供します。SQL メンテナンス プランはAzure SQLデータベースの健全性とパフォーマンスをメンテナンスするのに極めて重要です。このガイドでは、定期的なデータベース メンテナンスの重要性、リクエストの開始方法、およびSQLデータベースを最適化された状態に確実に保つためのベスト プラクティスについて説明します。Managed Cloudを使用するのが初めての方にも、データベースの管理方法を調整する方法を検討されている方にも、プロセスを進め最適な結果を達成するうえでこの記事の内容が役立ちます。

定期的なAzure SQLデータベースの正常性ルーチンを行うことは、Managed Cloud Standardのベスト プラクティスでご提案している内容の一つです。適切なメンテナンス手順の実施に失敗すると、時間が経つにつれてSQLパフォーマンスの劣化に繋がります。そのためSitecore Managed Cloudサポートは、ServiceNowのサービス カタログに、Azure Automationで構築されているメンテナンス手順の標準的なソリューションを提供しています。これは「Set up SQL Maintenance Plan」サービスとして知られています。

Azure SQLメンテナンス プランには、インデックスおよび統計情報の再構築および古いログの削除などの、最適なパフォーマンスを確保するための複数の重要なアクションが含まれています。これはお客様のSitecore Managed Cloud実装の全てのデータベースに対して実行され、お客様はメンテナンス作業を定期的に実行できるようにスケジュールを指定することができます。スケジュールは毎週、環境の業務時間外に繰り返し行われるように設定することをお勧めしていますが、これ以外にも別のスケジュール方法もサポートされています。例えば、負荷の軽いウェブサイトの場合は月一回、負荷の重いウェブサイトについては一日おきに実施するなどです。

Azure SQLメンテナンス プラン設定の一環として、Sitecore Managed Cloudサポートは新しくAzure Automatingアカウントを作成するか、利用可能なアカウントがすでに存在する場合は既存のものを使用します。また、様々なSQLクエリを使用してメンテナンスの作業を実施するRunbookも作成します。

このメンテナンスのアプローチの有効性を立証するため、Sitecore Managed CloudサポートはRunbookの実施前と実施後にユーティリティSQLクエリを実行することができます。これにより、お客様の環境での結果を比較することができます。

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メンテナンス プラン実施前と実施後の例

SQLメンテナンス プランを実行してもダウンタイムが発生することはありません。しかし、プランの実行中に一時的なDTU（データベース トランザクション ユニット）使用量の高騰が認められる場合があります。このメンテナンスのロジックの観点から、一般的に最も複雑なSitecoreデータベースとなる「Master」データベースには、最も大きな負荷がかかります。したがって、業務時間外に最初の実行を開始していただくことをお勧めいたします。

通常、標準的なSitecore Managed Cloudのデプロイメントの全てのデータベースに対して、これらのメンテナンス プランは一時間未満で実行を完了することができます。なお、Azure Automationは地域によって正確な量が異なる（無料の）実行時間の割り当て枠を提供しており、2023年春現在の時点において、多くの地域では500分が割り当てられています。メンテナンス作業の処理時間がこのデフォルトの割り当て枠を超過すると、追加料金が課金される可能性があります。

SQLメンテナンス プランは何をするのか

ベスト プラクティス

SQLメンテナンス プランの実行中にDTUを増加させる

SQLメンテナンス プランの最適なパフォーマンスを確保するため、プランの実行中にDTU（データベース トランザクション ユニット）を一時的に増加させることをお勧めいたします。これは初回実行時に特に重要であり、プランがデフラグやデータベースの最適化などのタスクをより効率的に行えるようになります。DTUを増加することで、メンテナンスの作業負荷に対処するのに必要なリソースを提供することができ、プロセスが完了するまでにかかる時間を短縮することができます。メンテナンスの完了後に、DTUは普段の設定に差し戻していただけます。

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大きなデータベース向けにハイブリッド エージェントを使用する

データベースのサイズが大きいことでSQLメンテナンス プランが完了までに180分以上かかる場合、Microsoftはハイブリッド エージェントを使用することを推奨しています。このソリューションは、ワークロード（負荷）の一部をオフロード（開放・肩代わり）することで、より大規模なメンテナンス タスクを処理できるように設計されています。ただし、ハイブリッド エージェントの構成は標準のManaged Cloudサポートの範囲外に該当します。そのため、これは大規模なスケールのデータベースには効果的なアプローチではありますが、ハイブリッド エージェントの設定に関する支援につきましては、外部のリソース（協力会社など）とご協力いただくか、Microsoftと直接ご相談いただく必要がある場合がありますのでご注意ください。

サポートの範囲

Managed Cloudサポートはお客様の環境向けのSQLメンテナンス プランの初期設定を実施します。しかし、すでに稼働中のもののメンテナンス、モニタリング、およびプランの調整はお客様の責任にて実施していただくこととなります。加えて、SitecoreサポートはSQLメンテナンス プランの実施中または実施後に生じる可能性のある、データベースの問題についてのデバッグ サービスはご提供いたしませんのでご注意ください。

 Sitecoreお客様
ポータルでリクエストを作成するC, I R, A 
メンテナンス プランのインストールを初期設定R, A C, I 
メンテナンス プランのロジックまたはパラメータの変更（例：断片化率、スクリプトの実行モード、ログの保持期間など）C, I R, A 
作業上の問題やエラーの分析C, I R, A 

凡例: