Sitecore Managed Cloud – VPNの実装と設定のサポート(PaaS 2.0)


概要

この記事では、Managed Cloud PaaS 2.0デプロイでサイト間VPN実装の支援をリクエストする際に利用可能なサービスとサポートの範囲について説明しています。

 

Azureサービス

Sitecoreは、貴社ハブ環境をプロビジョニングする際に、サイト間VPNを実装するのに必要なAzureサービスをデプロイします。

注: プライマリ ハブは貴社の最初のSitecore環境と同時にデプロイされます。プライマリ ハブは本番環境および非本番環境(スポーク)で共通となります。追加のディザスタ リカバリ(DR)ハブは、DRサービスをPaaS 2.0と組み合わせて購入されたお客様のセカンダリAzureリージョン内で提供されます。

ハブ環境に含まれるAzureサービスに関する詳細につきましては、以下のKB記事をご参照いただくことをお勧めいたします。

 

大まかなVPN導入プロセス

Azureでのサイト間VPN接続を作成するにあたっては、SitecoreによってホスティングされているAzureインフラおよび、貴社のオンプレミス ネットワーク内で幾つかの手順を実施する必要があります。Sitecoreは、オンプレミス側のコンポーネントまたはサービスに対しては、いかなる責任も負いませんのでご注意ください。また、サイト間VPNを実装する際には、お客様側のITチームからの情報提供が必要となります。

本KB記事内にて説明されている手順は、VPNのペアリング プロセスをご案内することを目的としています。実際にVPN接続を確立するのに必要となる手順は、貴社のVPNおよびオンプレミス ネットワークのプロパティと設定に応じて異なる可能性があります。

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サイト間VPNのRACI

本ページの以降の図表では、次の記号を使用して各関係者の責任範囲を記載いたします。

 

大まかなS2S VPNの導入手順

RACIの説明 お客様/パートナー様 Sitecore
仮想ネットワークの作成 * C, I R, A
仮想ネットワークの作成 ** C, I R, A
ローカル ネットワーク ゲートウェイの作成 *** C, I R, A
VPN デバイスの構成 R, A C, I


注:
Sitecoreは、オンプレミス側のコンポーネントまたはサービスにはいかなる責任も負いません。サイト間VPNの実装には、お客様側のITチームからの情報提供が必要となります。

* 全ての仮想ネットワークは、初期のSitecore環境のプロビジョニング処理中にSitecoreによって作成されます(スポーク)。
** VPNゲートウェイは、初期のハブ環境のプロビジョニング処理中にSitecoreによって作成されます(ハブ)。Sitecoreは現在、ルートベースVPNゲートウェイのみをサポートしています。
*** ローカル ネットワーク ゲートウェイは、お客様からのサイト間接続設置のリクエストに応じて、Sitecoreによりプロビジョニングされます。

PaaS 2.0のネットワーク構築とVPN実装のRACI

Sitecoreハブ環境 – プロビジョニング お客様/パートナー様 Sitecore

Sitecoreハブ環境のデプロイ 

  • 専用のAzureサブスクリプション
  • 専用のAzureリソース グループ
C, I R, A
Sitecoreハブ環境 – ネットワーク構築
ハブ環境にAzure仮想ネットワークをデプロイ
C, I R, A
ハブ サブネット グループを作成・設定 C, I R, A
ハブ環境にAzureネットワーク セキュリティ グループ(NSG)をデプロイ C, I R, A
Azure VPNゲートウェイをデプロイ C, I R, A
パブリックIPアドレスを割り当て C, I R, A
Azureローカル ネットワーク ゲートウェイをデプロイ C, I R, A
Azureローカル ネットワーク ゲートウェイ(サイト間接続)を設定 R, A R, A
Sitecoreスポーク環境 – ネットワーク構築

スポーク環境をデプロイ

  • 専用のAzureサブスクリプション 
  • 専用のAzureリソース グループ 
C, I R, A
Sitecoreスポーク環境 – ネットワーク構築
Sitecoreスポーク環境にAzure仮想ネットワークをデプロイ
C, I R, A
スポーク サブネット グループを作成・設定
C, I R, A
スポーク環境にAzureネットワーク セキュリティ グループ(NSG)をデプロイ
C, I R, A
VNetピアリング
ハブおよびスポーク環境間にVNetピアリングを設定
C, I R, A
VPN設定 – Sitecore
共有キーを作成
R, A C, I
VNetゲートウェイのパブリックIPを割り当て
C, I R, A
全てのオンプレミスVPNおよびネットワークの設定
R, A C, I
全てのオンプレミスVPNおよびネットワークの監視およびメンテナンス
R, A C, I


Azureインフラストラクチャ

  1. Sitecoreが、貴社のプライマリ ハブ環境をデプロイします。
  2. Sitecoreプライマリ ハブは、以下のコアAzureサービスを提供します。
    • 仮想ネットワーク
    • サブネット
    • パブリックIPアドレス
    • VPNゲートウェイ
    • ローカル ネットワーク ゲートウェイ
    • VPN接続の確立
  3. Sitecoreプライマリ ハブは、貴社の本番および非本番環境(スポーク)へのVNetピアリングを含みます。詳細については、以下をご参照ください。


オンプレミス インフラストラクチャ

  1. お客様は、全てのオンプレミスのインフラに責任を負います。
  2. VPNデバイスの設定
    • Azureに定義されている設定に合う設定を使用して貴社のオンプレミスVPNデバイスを構成します。
    • 共有キーをインポートし、IPSECポリシーをセットします。
  3. ルート構成
    • AzureリソースからVPNトンネルへトラフィックを送信するルートを構成します。
  4. 接続性のテスト
    • VPNトンネルが有効になっていることを確認します。
    • VPNトンネルの両側のリソースが通信可能であることを確認します。


VPNトンネルの検証

: この記事内で記載されている手順は、ディザスタ リカバリ環境内(追加の購入とお客様との合意が必要)でも繰り返し実施する必要があります。


Sitecore – ハブおよびスポーク仮想ネットワークのピアリング

各スポークは独自の仮想ネットワークを有し、各仮想ネットワークは複数のサブネットを含み、そして各サブネットにはAzureサービスへの認証されたアクセスを制御し、認証されていないアクセスを防止するためのネットワーク セキュリティ グループが付属しています。Sitecore Managed Cloudは、スポークがハブのVPNゲートウェイなどの共有サービスと通信できるようにするため、各スポークからハブ ネットワークへのVNetピアリングを実装しています。

 

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PaaS 2.0のネットワーク アーキテクチャおよびManaged Cloud内でのサブネットの割り当てに関する詳細につきましては、KB1003115をご参照ください。

 

Microsoftのドキュメント

サイト間仮想プライベート ネットワーク(VPN)をMicrosoft Azureプラットフォーム上に実装する方法の最も信頼のおけるガイドといたしましては、Microsoftより提供されている以下のドキュメントをご参照ください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/vpn-gateway/tutorial-site-to-site-portal
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/vpn-gateway/tutorial-site-to-site-portal#CreateConnection