Sitecore Managed Cloud Standard:サービスの概要と付属するオペレーション(PaaS 2.0)


概要

当記事では、Sitecore Managed Cloud Standard(PaaS 2.0)で提供されるサービスとサポートの範囲について説明します。
サービスの概要をご理解いただくことで、サービスに期待できることが明確となり、Sitecoreソリューションを貴社の製品ニーズに応じて適切に設定していただくことが可能となります。

サービス範囲

Sitecore Managed Cloudでは、以下のサポート サービスが提供されます。

また、以下のサポート チャネルをご利用いただけます。

アクセス権

お客様のリソースへのアクセス管理は、Sitecoreが実施します。Sitecoreは、Sitecore Managed Cloud Standard オンデマンド リクエストのサービス一覧Get Accessの項目でリクエストされた内容に従って、基盤システム、または特定のアイテムへの拡張的なアクセス権を、委任されているお客様側の担当者に提供することができます。 基本的なアクセス範囲は以下に定義されている通りです。

*「ContributorNoACM」ロールは、Azureデフォルトの「Contributor」RBAC アクセス権と同等のアクセス権が必要な、お客様のアカウント向けのカスタムAzureロールです。混乱を避けるため、このロールでは「Cost Management」データは閲覧できないように設定されています。Managed Cloudの財務的な詳細に関するコスト データは、Sitecoreサービス ポータルを通じて取り扱われます。 

註:

また、Sitecoreは共用管理者権限をお客様のサブスクリプション内に保持します。これらの権限を保持することが、Sitecoreの監視業務と、サービス一覧および本記事に記載されているサービス一覧の項目を実行する上での必要要件となるためです。この権限は、Sitecoreサポートの限られた人員しか使用できないよう、Sitecoreの組織内で高度に保護されています。

Sitecoreのアクセス権は、以下に示されている通りです(お客様は、これらのエントリをAzureポータルにて確認していただけます)。

所有者:

監視の閲覧者(Monitoring Reader):

: お客様にてSitecoreのアクセス権を停止された場合には、Sitecoreはお客様のリソースのいかなる監視、保守業務に関する責任も負いません。 

監視

Sitecore Managed Cloud はPaaS 2.0のデフォルト トポロジーのインフラの可用性について責任を負います。お客様は、お客様のSitecoreソリューションの可用性の確保に関するカスタマイズおよび設定に責任を負います。

監視範囲:

エンティティ
説明
事前通知
事前修正 
可用性
パフォーマンス
ロジック 
Azureプラットフォーム全般 
PaaS 2.0 デフォルト トポロジー インフラストラクチャ サービス向けの一般的なAzureの監視(status.azure.comなど) 
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Azure Web App 
    Sitecore XP サイトをホストするWeb Appの可用性
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Azure SQL 
Sitecoreソリューション向けに使用されるSQL Serverとデータベースの可用性 (Core、Master、 Web、reporting のみ) 
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Solr 
Azure Searchサービスの代替手段。また、sitecore_master_index、sitecore_web_indexなどの標準的なSitecoreインデックスにも必要
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Redis Cache 
Sitecoreソリューションのセッション状態に使用されるRedis Cacheインスタンスの可用性 
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Sitecore
インスタンス
Azure Web Apps内のSitecoreインスタンスの正常性

凡例: 「-」... サポート対象外、 「✓」... サポート対象

また、Sitecore Managed Cloudは、サービス カタログの項目の実施に必要なバック システムに対する、完全な監視サービスを提供します。 

監視のレベルは以下の通りです。

その他のSitecore Managed Cloudソリューションの監視のメトリクスに関しては、次の記事もあわせてご確認ください。
Sitecore Managed Cloud Standard - モニタリング メトリクス 

監視されているリソースに関連する何らかのアラートが発生した場合、Sitecoreサポート チームは一般的なSitecore Cloudの監視のマニフェストに従って、お客様に通知いたします。

バックアップ

Sitecore Managed Cloudは対象リソースに対し、以下のバックアップ オプションを提供します。 

エンティティ 

バックアップのオプション
頻度
デフォルトで有効
Azure Web App
手動および自動バックアップ (参考
カスタム
CDおよびCM Web Apps 
自動バックアップ
日次
✓ 
Azure SQL 
手動および自動バックアップ (参考
週次(完全)
✓ 
Solr 
提供されません。インデックスの再構築を推奨します。
Redis Cache 

データの永続性(Premiumのみ)。
詳細はこの記事をご参照ください(お客様によってのみ実行可能です)。

カスタム

凡例: 「-」... サポート対象外、 「✓」... サポート対象

: Sitecore Managed Cloudは自動的なバックアップ・リカバリーのサービスは提供いたしません。バックアップ・リカバリーの操作は、Sitecoreサポート ポータルからサービス リクエストを作成いただいた後で、お客様、またはSitecoreによって開始できます(Sitecoreによって実施されるオプションの種類については、サービス一覧をご確認ください)。バックアップ・リカバリーの完了後は、必要な設定やクリーンアップはお客様の責任によって実施していただくこととなります。よって、リストアされたデータの整合性の確保につきましては、お客様で実施していただく必要があります。通常の業務継続計画の一環として、定期的にリストアの手順を検証していただくことを推奨いたします。詳細につきましては、Managed Cloud スタンダード セットのバックアップ計画の依頼方法の「注意」セクションに記載されている説明をご確認ください。 

バックアップの制限: バックアップの最大許容サイズは10GBとなります。この制限に関する詳細につきましては、「要件および制限」をご参照ください。
バックアップのサイズが10GBを超えた場合は、バックアップが失敗します。その場合、バックアップ フィルターを使用して、バックアップの対象から不要なファイルを除外してください。詳細については、 「バックアップからファイルを除外する」 をご参照ください。なお、バックアップ フィルターはスロット ファイル システムに保存されるため、Web App スロットをスワップする際に消えてしまう可能性があります。 

Azureインフラストラクチャ

ウィルス対策、OSのパッチ適用、OS設定などは、Azureから提供されているサービスの一環として、Azure側が対応します(Azure App Service for application hosting、AzureSQL for SQL Server databasesなど)。
Azureは、OSレベルの適切なパフォーマンス、セキュリティ、可用性を確保することにより、基盤サービスを維持します。これらについて何らかの問題がある場合には、Sitecore社は問題の解消のため、Microsoft Azureと連携して対応を行います。

サポートされるAzureサービス

Sitecoreサポートは、サポートされるトポロジーと価格レベル(XM/XP v10.3.1以降)にリストアップされたAzureサービスのみを使用してホストされているSitecore XPインスタンスに対し、インフラに関する運用サポート、および技術的サポートを提供します。サポートされているインフラの種類は次のとおりです。 

その他のAzureリソースもSitecore XM/XPと併用していただけますが、サービスおよびサポート範囲の対象外となります。サポートされていないAzureリソースは、Sitecore Managed Cloudサブスクリプション内に作成することはできません。お客様は、それらのリソースを初期の本番環境デプロイメントの一部として「カスタマーカスタムスポーク(Customer-Custom-Spoke)」サブスクリプション内に作成していただけます。お客様は、会社所有のAzureサブスクリプションをこの用途に使用していただくことも出来ます。

サポートされるAzure リージョン

Sitecoreで完全にサポートされるリージョンについては、互換表に記載されています。

:  Sitecore Managed Cloudサブスクリプション内の他のロケーションのリソースを使用することは可能ですが、実質的にSitecore Managed Cloudサービスのサポート範囲外となる点にご注意ください。

Sitecoreソフトウェアの変更管理

Sitecore XM/XPのアップグレード

Sitecore Managed CloudにホスティングされているSitecore XM/XPプラットフォームのアップグレードの実施は、お客様の完全な責任下で実施してください。

お客様は、アップグレードの実行中に発生した問題に関して、サポートの範囲に従ってSitecoreサポートにご連絡していただけます。

カスタム コードのデプロイメント

Microsoft Azure App Service上で実行・ホストされているSitecore XM/XP環境は、Sitecore Azure Toolkitと互換性があります。お客様は、Microsoft Visual StudioおよびSitecore Azure Toolkitを使用してカスタム コードを開発し、Sitecore Managed Cloud環境にパブリッシュしていただけます。

Sitecoreのhotfixとパッチ

Sitecoreサポートは、サポートの範囲に従って、お客様からご報告されたSitecore製品の問題に対するパッチまたはhotfixを提供する責任を負います。

いずれかのAzure Web Appsデプロイメント プロセスを使用して、本番ソリューションに対してパッチまたはhotfixのデプロイすることの最終的な責任は、お客様のご担当となります。

Sitecoreのパッチおよびhotfixの詳細情報につきましては、この記事をご参照ください。

追加のソフトウェア モジュールのインストール

追加のソフトウェア モジュールのインストールおよび設定については、お客様の完全な責任下で実施してください。

備考

[1] 以下の点を検討してください。

ゾーン冗長性は次の地域ではサポートされていません。

ただし、次の地域ではサポートされています。