Sitecore Managed Cloud Standard (MCS):WAF設定のサービス リクエスト(PaaS 1.0)


解説

Sitecore Managed Cloudのお客様は、Sitecoreアプリケーションを一般的なウェブ上の脆弱性や攻撃から保護したい場合に、「Azure Application Gateway (AG)」および「Web アプリケーション ファイアウォール (WAF)」のセットアップのサービス リクエストを作成していただけます。当記事では、Managed Cloudのお客様に知っていただくべき、Azure Application Gateway (AG) およびWeb アプリケーション ファイアウォール (WAF)の技術的な実装についてご説明します。

Azure AGおよびWAF製品の詳細と、それらがどのようにSitecore Content Delivery (CD)サーバーを保護するかの詳細につきましては、この記事をご参照ください。

前提条件

Managed Cloudサポートにサービス リクエストを提出いただく際は、必ず以下の項目をリクエスト内にてお知らせください。

制限事項

WAFが有効化されたAzure AGは、Sitecore CDのWeb Appにのみ適用でき、Content Management(CM)サーバーには対応しませんのでご注意ください。詳細につきましては、この記事をご参照ください。

デプロイとタイミング

以下に、Sitecore Managed Cloudチームがこのサービス リクエストに対応する際の、各作業の実施タイミングおよびプロセス全体についての注意事項についてご説明します。

  1. AGおよびWAFのデプロイは約1時間かかります。この間、Azure上のSitecore Content Delivery (CD) Web AppのIP制限が設定されるため、CDが直接のエンドポイント(*.azurewebsites.netなどのURL)からアクセスできなくなり、パブリックIPアドレスでのみアクセスが可能となります。
    サービス リクエストで「Do not apply CD IP Restriction Configuration」を選択することにより、このIP制限を解除していただくことができます。これは、本番稼働中で継続的にトラフィックがあるサイトの場合に特に重要です。
  2. WAF サービスがデプロイされたら、すぐにお客様にてDNS サーバーに必要なレコードが作成されるよう設定を実施してください。NSサーバーのDNSレコードは完全に更新されるまでに最大で72時間かかるため、最終的な設定までに最大で3日間かかる場合があります。
  3. Managed Cloudサポートは、WAFデプロイの実施の時間帯をお客様と調整します。ベスト プラクティスとして、予測できない問題やダウンタイムのリスクを軽減するため、本番リリースの前にAGおよびWAFの有効化を設定することをお薦めいたします。また、希望される作業時間帯の2営業日前までにManaged Cloudサポートへお知らせいただきスケジュールしていただくようお願いいたします。

初期設定

適用される設定の変更と、追加されるリソースは以下の通りです。

セットアップ後のステップ

サポート・責任範囲

Sitecore Managed Cloudチームは、Sitecoreの実装で、WAFが有効化されたAzure WAF製品をご利用になるManaged Cloudのお客様に対し、部分的なサポートを提供します。この部分的なサポートには、Azure Application GatewayおよびAzure WAFコンポーネントが含まれます。

初期セットアップ

 

Sitecore

お客様

AGおよびWAFの初期設定と、SitecoreのスタンダードなトポロジにおけるSitecore CDロールとの統合

R, A

C, I

初期セットアップにおけるBasic HTTPおよびHTTPSリスナーの構成

R, A

C, I

AGおよびWAFの診断設定をOMSに構成

R, A

C, I

初期セットアップにおけるWAFの防止モードの構成 

R, A

C, I

初期セットアップにおけるルールセットやポリシーなどのデフォルトのWAF設定の構成

R, A

C, I

AGへのSitecore CDの可用性テストの更新

R, A

C, I

WAFに関連するSitecoreアプリケーションの課題のトラブルシューティング

R, A

C, I

 

セットアップ後

 

Sitecore

お客様

AGのロギングと、全てのSitecore CDの機能の検証の評価に基づき、WAFを検出モードと防止モードのどちらにするべきかを決定

C, I

R, A

WAFに関連するSitecoreアプリケーションの課題のトラブルシューティング[2]

C, I

R, A

リスナーやその他の設定などのAG設定の適切なカスタマイズ

C, I

R, A

Azure Sitecore CDから新しいパブリックIPへのリダイレクトに必要なDNSの変更

C, I

R, A

AGスケール ユニットを容量とニーズに応じて調整

C, I

R, A

WAFに関連する本番環境でのインシデントの支援 [3]

C, I

R, A

Application Gatewayの証明書の更新

C, I

R, A

 

凡例:

脚注