Sitecore XPは、8.2 Update-1よりAzure PaaSを完全にサポートしています。これには、SitecoreアプリケーションをホスティングするためのAzure Web Appsのサポートも含まれます。
Azure Web Apps上のSitecore XPログや診断情報へのアクセス方法は、オンプレミス環境での方法とは異なります。この記事では、Azure Web AppsにデプロイされたSitecore XPソリューションのログや構成データといった基本的な診断情報を収集する方法について説明します。
Azure Application Insights (AI)からSitecore XPログを収集するには、いくつかの方法があります。
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Azure Application Insights REST APIを使用する(Sitecore XP 8.2.1以降の場合)
この方法を使用する場合は、以下の2つのAzure AIパラメーターを設定した最新版のAzureTools.aspxページを使用します。
これらのパラメーターを取得するには、以下を実施します。Application Insightsキーに関する詳細につきましては、Microsoftのドキュメントを参照してください。
- 関連するリソースグループで、以下のタブにアクセスします。 Azureポータル -> リソース グループ -> Application Insights -> 構成セクション -> APIアクセス
- Application IDをこのタブから取得します。
- 同じタブで、APIキー(利用統計情報の読み取り)を作成し、その値を保存します。
※註:キーの作成ダイアログをクローズすると、キーの値にアクセス出来なくなります。
上記のページを使ってログを収集するには、以下を実施します。
- 以下のいずれかの方法を使用して、ページを開きます。
- Sitecore XP (website/sitecore/admin/AzureTools.aspx)
- http://localhost/AzureTools.aspx (C:\inetpub\wwwroot\AzureTools.aspx、ASP.NETを使用するように構成されたIISのみ)
- Logsタブを選択し、Application IDとAPIキーの値を入力します。
- Find existing rolesをクリックし、その環境内のロール(CM、CDなど)を探します。
- 必要なロールと最近のログを選択します。
- 追加で、Extendedチェックボックスをチェックすると、更にオプションが表示されます。
- Download logsをクリックして、関連するログをダウンロードします。このログはSitecoreログ アナライザーと互換性があります。
ログを解析するには、Azure AIパラメーターを使用して必要なログをダウンロードするか、それらのパラメーターをSitecore Supportにご提供ください。
Azure AIログへのアクセスがもはや必要なくなった場合には、APIキーを削除することが出来ます(Azureポータル -> APIキーを右クリック -> 削除)。
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AzureポータルのApplication Insightsを使用する
Azure Web AppsにデプロイされたSitecore XPインスタンスの拡張ロギング データにアクセスするには、Application InsightsのLogsページを使用して、事前設定されたApplication Insightsレコードを参照することをお勧めします。
- Azureポータル(https://portal.azure.com)にアクセスします。
- 関連するリソース グループを開き、Application Insightsを選択します。
- 概要セクションでページ上部のログボタンをクリックします。
- ページが開いたら、ログの取得に必要なクエリをペーストして実行します。以下の例では、シングルSitecore XPロールからの直近14日間のログが取得されます。
traces
| where tostring(customDimensions.Role) == "Single"
| where timestamp > now(-14d)
| project timestamp, message
| sort by timestamp desc
- 次のロールが上記のクエリで使用できます。
Single, CM, CD, Processing, Reporting, DDS
- ログのフィルタリングで利用可能な全てのフィールド(customDimensions.InstanceName や severityLevel など)を閲覧したい場合は、以下の簡単なクエリを実行します。
traces
ログが取得されたら、CSVファイルとしてエクスポートできます。
カスタム クエリの記述方法の詳細につきましては、Kustoクエリの記事をご参照ください。
デプロイされたアプリケーションのファイルや設定データにアクセスするために、Azure Web Appsは完全なFTPアクセスを提供しています。必要なデータを参照するには、以下を実施してください。
- 必要なSitecore XPインスタンスのFTP認証情報を抽出します。
- Azureポータル (https://portal.azure.com)にアクセスします。
- 必要なWebアプリケーションを選択します。
- 概要タブ上部の発行プロファイルの取得ボタンをクリックして、認証情報のファイルをダウンロードします。
- FTP認証情報を抽出します。
- publishUrl="ftp://host-name-here/site/wwwroot"
- userName="user-name-here"
- userPWD="password-here"
- 任意のFTPクライアント(例えばFileZillaなど)を使用し、抽出した認証情報を使用してFTPエンドポイントに接続します。
FTPに接続後、以下のものを閲覧できます。
- /LogFiles — Azure Web Appで実行中のシステムからのEventLogを含む様々な診断情報にアクセスできます。
- /site/wwwroot —デプロイされたSitecoreアプリケーションのrootフォルダーで、全ての設定ファイルやバイナリが含まれます。