当記事では、Sitecore Managed Cloud Standard(MCS, PaaS 1.0)で提供されるサービスとサポートの範囲について説明します。
サービスの概要をご理解いただくことで、サービスに期待できることが明確となり、Sitecoreソリューションを貴社の要件に応じて適切に設定いただくことが可能となります。
Sitecore Managed Cloudでは、以下のサポート サービスが提供されます。
また、以下のサポートをご利用いただけます。
お客様のリソースへのアクセス管理は、Sitecoreが実施します。Sitecoreは、Sitecore Managed Cloud Standard オンデマンド リクエストのサービス一覧のGet Accessアイテムに従って、基盤システム、または特定のアイテムへの拡張的なアクセス権を、委任されているお客様側の担当者様に提供することができます。 基本的なアクセス範囲は以下に定義されている通りです。
*「ContributorNoACM」ロールは、Azureデフォルトの「Contributor」RBAC アクセス権と同等のアクセス権が必要な方向けのカスタムのAzureロールです。混乱を避けるため、「Cost Management」データは閲覧できないように設定されています。Managed Cloudの財務的な詳細に関する全てのコスト データは、Sitecore サービス ポータルを通じて処理されます。
註:
また、Sitecoreも共用管理者権限をお客様のサブスクリプション内に保持します。これは、Sitecoreが監視業務とサービス一覧に記載されている全ての項目を実行するための必要要件となります。 このアクセス権はSitecoreの組織内で高度に保護されており、限られたSitecoreサポートの社員のみが使用できます。
Sitecoreのアクセス権は以下の通りです(お客様は、これらのエントリをAzureポータルにて確認していただけます)。
所有者:
監視の閲覧者(Monitoring Reader):
注意: お客様にてSiteocoreのアクセスを停止された場合には、Sitecoreはお客様のリソースのいかなる監視、保守業務に関する責任も負いません。
エンティティ | 説明 | 事前通知 | 事前修正 | 可用性 | パフォーマンス | ロジック |
Azure プラットフォーム全般 |
一般的なAzureの監視(status.azure.comなど) |
✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
Azure Web App | Sitecore XP サイトをホストするWeb Appの可用性 | ✓ | ✓ | ✓ | - | - |
Azure SQL | Sitecoreソリューションのために使用されるSQL サーバーとデータベースの可用性 (Core、Master、 Web、reporting のみ) | ✓ | ✓ | ✓ | - | - |
Azure Search [1] | 一般的なSitecoreインデックスに必要なサーチサービスの可用性 (sitecore_master_index、 sitecore_web_indexなど) | ✓ | ✓ | ✓ | - | - |
Solr | 検索サービスの可用性 (sitecore_master_index、 sitecore_web_indexなど) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | - |
Redis Cache | Sitecoreソリューションのセッション状態に使用されるRedis Cacheインスタンスの可用性 | ✓ | ✓ | ✓ | - | - |
Sitecoreインスタンス | Azure Web Apps内のSitecore インスタンスの稼働状態 | - | - | - | - | - |
凡例: 「-」... サポート対象外、 「✓」... サポート対象
Sitecore Managed Cloudは対象リソースに対し、以下のバックアップ オプションを提供します。
エンティティ | バックアップ オプション | 頻度 | デフォルトで有効 |
Azure Web App | 手動、または自動バックアップ (参考) | カスタム | - |
CD と CM Web Apps | 自動バックアップ | 日次 | ✓ |
Azure SQL | 手動、または自動バックアップ (参考) | 週次(完全) | ✓ |
Azure Search [1] | 提供されません。インデックスの再構築を推奨します。 詳細はこの記事をご参照ください。 |
- | - |
Solr | 提供されません。インデックスの再構築を推奨します。 | - | - |
Redis Cache | データの永続性(Premiumのみ)。詳細はこの記事をご参照ください(お客様によってのみ実行可能です)。 | カスタム | - |
凡例: 「-」... サポート対象外、 「✓」... サポート対象
【注意】 Sitecore Managed Cloud はいかなる種類の自動バックアップ リカバリーも提供いたしません。自動バックアップ リカバリーの運用は、Sitecoreサポート ポータルからサービスリクエストを作成いただいた後、お客様、またはSitecoreによって実施が可能になります(Sitecoreによって実施される運用の種類はサービス一覧をご確認ください)。バックアップ リカバリーの完了後は、必要な設定やクリーンアップはお客様の責任によって実施していただくこととなります。つまり、お客様がリストアされたデータの整合性を保証いただく必要があります。通常の業務継続計画の一環として、定期的にリストアの手順を検証いただくことを推奨いたします。詳細につきましては、Managed Cloud スタンダード セットのバックアップ計画の依頼方法の【注意】に記載されている説明をご確認ください。
バックアップの制限: バックアップの最大許容サイズは10GBとなります。この制限に関する詳細は「要件および制限」をご参照ください。
もしも10GBを超える場合は、バックアップが失敗します。バックアップ フィルターを使用して不必要なファイルをバックアップの対象から除外してください。詳細については、 「バックアップからファイルを除外する」 をご参照ください。なお、バックアップ フィルターはスロット ファイル システムに保存されるため、Web App スロットをスワップする際に消えてしまう可能性があります。
その他のAzureリソースもSitecore XPとともに使用可能ですが、サービス、またサポート範囲の対象外となります。サポートされていないAzureリソースは、Sitecore Managed Cloudサブスクリプション内に作成することはできません。それらのリソースはお客様個人のサブスクリプションにてご使用いただけます。
サポートされるAzure リージョン
サポートされるリージョンは互換性一覧の記事でご確認いただけます。
Sitecore XP アップグレード
Sitecore Managed Cloud にホストされているSitecore XP のアップグレードの計画、及び実行につきましては、お客様の責任において実施していただきます。
なお、サポートの範囲にある通り、アップグレード実施中に発生した問題につきましては、Sitecoreサポートにお問い合わせいただけます。
カスタムコードのデプロイ
Sitecore Managed Cloud にホストされているSitecore XPは、Sitecore Azure Toolkitと互換性があります。お客様はMicrosoft Visual StudioとSitecore Azure Toolkitを使用してカスタム コードを開発し、Sitecore Managed Cloudに発行することが可能です。
Sitecore Hotfix、及びパッチ
お客様から報告されたSitecore製品のバグに対するパッチ、またはHotfixにつきましては、サポートの範囲にある通り、 Sitecoreが提供する責任を負います。
パッチ、またはHotfixの最終的な適用は責任は、お客様の責任において実施していただきます。
パッチ、及びHotfixの詳細はこの記事をご確認ください。
Sitecore モジュール
Sitecore 10.0より前のバージョンでは、新規のManaged Cloudセットの作成をリクエストいただく際に、Sitecore Managed Cloud側でSitecoreモジュールのインストールを実施することが可能です。Sitecore バージョン10.0以降および既存のManaged Cloud環境につきましては、いかなるモジュールにつきましても、お客様の責任においてインストールと設定を実施していただく必要があります。